リアルタイム巡礼記2016

【巡礼記9~10日目】赤い大地で灼熱に焼かれ、緑の麦畑で風に抱かれる

みなさんこんにちは、たまゆりです!
現在スペインは夜の18時。

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今日はヴィロリアという、麦畑の真ん中にぽつんと島のように浮かんだ小さな街にいます。とてもすてきなところ。

 

昨日は疲れていて日記を書けなかったので、2日分合わせて書きました。
それではどうぞ!

 

5/18
ナバレテ〜アソフラ
歩行距離 25.1km

灼熱の1日。その言葉がよく似合う日だった。
本当に溶けそうな、焼け焦げて地面の黒い跡になっちゃいそうな暑さ。

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ラ・リオハの大地はどこまでも赤い土にぶどうの木がぽつぽつ立っている。からからに乾いている。太陽がまぶしすぎて、頭がくらくらする。

 

昨晩は、無性に豆が食べたい気分だったので、スーパーで買ってきた缶詰の豆のスープをアルベルゲのキッチンで温めて食べた。そしたら、グループで来ているスペイン人のひとたちが、余ったから食べて!とパスタやらサラダやら分けてくれて、ワインも分けてくれて、とても賑やかな夕食になりました。

 

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そのあと、風邪気味で寝苦しい夜を過ごして、8時ごろナバレテのアルベルゲを出た。

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途中、ナヘラという川辺の気持ちの良い街で一休み。

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もう一度歩き出した先に広がっていた日陰のない丘越えは、ほんとうに暑くて暑くて、まるで白昼夢でも見ているような心地で、熱に浮かされながら歩いていた。

 

緑の風にそよぐ麦畑が恋しい。ちくしょう、カラカラに乾いた無骨なぶどう畑なぞくそくらえ。いや、うそです。ワイン大好きです。いつもありがとう。愛してます。などとひとりブツブツ呟きながら、夢遊病さながらで笑、なんとかアソフラという小さな街のアルベルゲにたどりついた。

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ここのアルベルゲは少し変わっていて、ひとつの小さな部屋にベッドがふたつだけある。それが一フロアに10部屋くらいあって、3階建てになっている。
一緒になったのはオーストラリア人の女性で、私も彼女も日を浴びすぎたのかとにかく疲れまくっていたので、まださんさんと明るい夜19時半に就寝。笑

 

風邪が(特に咳が)ひどくなっていたので、街の小さなマーケットで買った”MAMA”なるカップ麺(チキン味)をすすり、オレンジを食べ、水を飲みまくり、薬を飲んで、iPhoneでKindleアプリを使って星の巡礼のつづきを読んでいるうちに寝ていた。

二人だけの部屋ではいびきに邪魔されることもなく、ぐっすり眠ることができた。

5/19
アソフラ〜ヴィロリア
歩行距離 30.2km

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今日は特にとってもすてきな1日だった!!
朝は曇っていて風も冷たく、時折雨がポツポツしていたのだけれど、歩いているうちにだんだん晴れてきて、すばらしいお天気に。

 

こんな天気の日が特に大好きだなぁと思う。

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重い灰色の雲に覆われた空から少しずつ青空が覗き始める。
歩き続けているとそのうち、空の色がみずみずしく透き通るブルーになって、雲は白く軽くなって、色んな形でにぎやかに空に浮かぶ。
太陽に雲がかかるたび日は翳り、雲を抜けるとまた日が射してくる。

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延々と続く麦畑の緑のじゅうたんの上にも、雲は影を作って、その模様は刻々と変わっていく。その模様に、歩きながら自分も飲まれていく。
あー、私は大地の一部だな、空の下を這っているな、風と一緒に歩いているな〜って感じがする。麦の穂もさわさわ揺れて光って気持ちよさそうに見える。

昨日の見渡す限りのぶどう畑の、赤土の乾いて焼け付くような景色とは対照的だ。でも昨日があるから今がある。あー、それにしても、今日はほんとうにすばらしい日だ。

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あんまり素敵な天気で、あんまり素敵な眺めなので、今日はずっと歌をうたいながら歩いていた。歩くのがほんとうに楽しくて、ずっとどこまでも歩いていけるように思えた。

 

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今日はどこまで行くかあまり決めていなくて、小さな町がたくさんあるから行けるところまで行ってみよう、って思っていたけど。結局たどり着いたのは、今朝出てきたアソフラの街から30km先の、ヴィロリアという小さな小さな町。
スーパーもバルもなくて、アルベルゲが2軒あるだけ。

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そのうちのひとつのアルベルゲの前で、椅子に座って日光浴しながら、手を振ってくれた人がいた。
ほんとはもう少しだけ先の街へ行っても良かったのだけれど、その人の笑顔が素敵だったので、よーしここに泊まろう!と入っていくことにした。

そこはとてもいい雰囲気のアルベルゲで、来る人みんなをあたたかく迎えていた。
手を振ってくれたのは、オランダ人のマリウス。大切な奥さんや子供は家にいて、今は一人でこの旅をしているのだって。家族の話をすると泣いちゃうから今はやめとく、だって。
マリウスはすてきな人だ!この道を心から楽しんでいる。

 

英語はへたくそな私だけれど、たまに、この人の言っていること、なんとなく、ぜんぶわかる気がする!って人に出会えることがある。
3日間一緒に歩いた大好きなフアンもそうだった。ああ、この人の言っていることは私の思っていたことだ!私はずっとそう思って生きてきたんだ!この人と同じこと考えながら。って、なんかわかるの。通じる気がする。そしてそれはきっとお互い感じている。

 

あ!!そうだ!!!
それで、もうひとつすごいことがあったんだ。
最初に、フランスのバイヨンヌ駅からサンジャンピエドポーに行く電車で一緒だった、オーストラリアのすてきな夫婦、ノエルとデニスになんとこのとっても小さな街のアルベルゲで再会したの!!!!
すっごーーーーく、うれしかった!!!!思わず抱きついて大喜び。

私にとって、初めに出会った二人はなんだか両親みたいに感じていたから。でも二人に会ったのは2日目のロンセスバジェスが最後で、もう会えないかと思ってた。きっとどこか、私よりずっと先を二人で歩いているんだろうな、って思ってた。から!!!!
ほんとうにうれしかった。

 

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なんだか今日、彼と別れて初めて、自分の力でこの道を楽しめたって感じがする。けして忘れたわけじゃなくて、歩きながら口ずさんでいたのは恋の歌ばっかだし(失恋ソング笑)、何度も数十歩先で立ち止まって待っててくれる姿を思い描いたし。日が照り出して帽子を被りたくても、ザックのポケットから引っ張り出してかぶせてくれる人もいない。自分の帽子を見るたび、この色はベイビー用の色だよ!って笑われて、そのせいで私のあだ名が”赤ちゃん”だったことも思い出す。

 

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でも、そのぜんぶが辛いことじゃなくて、とても幸せなことだった。今日の私にとって。
この恋は、私の巡礼の道の上で、ひときわきらきら光る宝石みたいになったって、ほんとうに思う。

幸せだー、ほんとうに幸せだ!ここに来られて、この道を歩けて。
この先も起こるすべてのことを、導きと思って受け入れられますように。雨の日も、挫折も、例えば辛くて寂しくて流す涙さえも。

本当にここはすばらしいところです。
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いつもこのブログを読んでくださっているみなさま、本当にありがとう。このブログを読んでくれている人がいると思うだけで、何度私はこの道の上で助けられたことか。
そうだった!私は私の巡礼のことを私なりの感性と私なりの言葉でちゃんと誰かに伝えたくて、この道でもらったたくさんのすばらしいものを、誰かに受け渡せるパイプになりたくて歩いていたんだった!っていつも思い出す。
本当にありがとう。

たまゆりでした。

 

つづきはこちら!

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POSTED COMMENT

  1. tamanegiojyou より:

    たまゆりちゃんの文章すきだよ(はーと)
    体調気をつけてね!!

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