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初日のピレネー越え。遭難・道迷い・体力は大丈夫?【サンティアゴ巡礼Q&A】

みなさんこんばんは、たまゆりです!

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蒸し暑さがまだ残る空気に、長雨が続く今日この頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

私はというと、先月から変わらず地元犬山の「森のマルシェ」「犬山おどき」で修行をさせていただいております。

落ち込んだりもするけれど、私は元気です。って、まさに魔女の宅急便のキキみたいな感じ!笑

自分の至らなさ、力不足や、たまにほんとは自分が何をやりたかったのかわけわかんなくなっちゃったり、そんなこともあるけれど、一つ一つ、いろんな周りの方に助けられながら、泣いて笑って怒って転んでは座り込んでまた立ち上がって、生きている感じ。

幸せものですね、ほんと私。がんばりたいです。

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この間は、犬山きっての大人気珍スポットカフェ・パブレスト百万ドルのマスターが森のマルシェへ遊びに来てくれて、恋のこととか、人生のこととか、いっぱいアドバイスをもらいました。

マスター、ありがとう!あんまりにもいい話だったので、思わず録音させてもらっちゃった!笑

また時間があったら、文字おこしします(笑)

さて!

今日は、久しぶりですが、サンティアゴ巡礼のことで今までにいただいた質問をまとめてみようと思います。

名付けてサンティアゴ巡礼のよくある質問。ここが知りたいQ&A〜!

第一弾は、こちら。(第二弾があるかどうかまだわからないけど…)

Q.フランス人の道初日のピレネー山脈越えが不安です。体力に自信がないのですが大丈夫でしょうか?

ああっ!!わかります!!

初日のサンジャンピエドポーからロンセスバジェスまでのいきなりの高低差約1250m、歩行距離26kmもの山越え。

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同じく体力に自信のなかった私も、出発前にとても不安に思っていました!

これからフランス人の道を歩かれる方で、この初日を不安に思われている方は他にも多くいらっしゃるのではないでしょうか…?

星の旅人たち [DVD]

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有名なカミーノの映画「星の旅人たち(原題:The way)」でも、初日に主人公の息子ダニエルが悪天候のピレネー越えで遭難していますね。

ちなみに余談なんですが、この「星の旅人たち」のサントラ、聴いていると巡礼の時の気分が思い出されてとってもおすすめです!

特に「Thank U」というトラックが大好き!

私は巡礼を終えてからこの映画を初めて観たので当時は知らなかったのですが、次に行くときは歩きながらこのサントラを聴いてみるのもいいなあなんて思います。

Music from the Motion Picture

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さて。

それではまず、遭難しないか、命の危険はないか、そういう観点で私が歩いたイメージから申し上げます。

あくまで私個人の印象なので歩かれた方によって色々なご感想があるかと思います。ひとつの意見としてご参考にどうぞ!

この初日のピレネー山脈越え、悪天候であった場合は、間違いなく危険だろうと思います。

登山経験がめっちゃ豊富!とかで、慣れていらっしゃる方ならば対応できるかもしれませんが、5月初旬の晴れた日に歩いた私でも頂上付近ではものすごく寒かったです。風が強く、空気が冷たく、ダウンジャケットの上にレインウェアをはおってもまだ寒くて、手がかじかみました。

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そもそも、サンジャンピエドポーから出発の場合、巡礼事務所で「悪天候の日は絶対にピレネー越えのナポレオンルートは通るな、迂回して新道を歩け」と念押しされます。

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なので、そういった現地の方の判断や指示に従って、天候によって進む道を選べば大丈夫だとは思います。

気をつけておくのは、必ず防寒対策だけは夏場でもしっかり万全にしておく、そして天気が悪い時は無理しないで、潔く旧道歩きを諦める、というくらいでしょうか。

それから、天候などに関係なく、単純に「山の中で道に迷ってしまわないか」という不安をお持ちの方からもご質問を頂きました。

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天気の良かった日に歩いた私の印象では、ちゃんと黄色い矢印や看板に注意を払っていれば迷う心配はあまりないのではないかと思います。

初日の巡礼道はほぼ一本道で、行程の半分ほどは車もたまに通るような舗装道歩きでした。後半の山道の下りも、黄色い矢印がきちんと整備されていたので、特に迷うことはありませんでした。

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けっこうな方向音痴でおなじみの私でも大丈夫だったので(笑)、大丈夫だと思います。矢印さえちゃんと見ていれば!

スマートフォンをお持ちの方は、インターネットに繋いでいなくても地図が見られて地図上の現在位置がわかるすぐれもの無料アプリ「Maps.me」がおすすめです!

くわしくはこちらの記事からどうぞ!

そして、体力の面での不安について。

これは、私もかなり自信がありませんでした。

えっ、待って、26kmって何kmだっけ?みたいなレベルの、そんな長い距離1日で歩いたことなんて人生で一度もなかった私にとっては未知の世界。しかも平坦な道じゃなくて山道!

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これに関してはもう、完全に個々人の身体のことなのでなんとも言えませんが、私の初日を歩き終えてすぐの感想としては「あれ?意外といけるやんこれ〜!イェーイ!」って感じ。完全に調子に乗ってました(笑)

しかし、後から思い知ることになります。それは単なる初日ハイで麻痺してただけだと。

その日も次の日も元気に歩いていたのですが、3日後くらいになってドッと疲れや痛みが足にやってきて、歩けないほどになってしまいました。

当時のリアルタイムで書いていた記事はこちら。この足の痛みも、思い返すとすごくいい経験だったけど…!

このときはぐっすり一晩寝ただけで回復したからよかったものの、下手したら3日目で脱落しちゃってたかも知れません!

なので、もし体力に不安があるのなら少しでも下半身を鍛えておくこと、さらに時間があるのならトレッキングなどで山道歩きの感覚を養っておくのがいいのではないかと思います。

それから、私のように無理して調子に乗らないこと!笑

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体力づくりについて、私の場合はなにせ元が運動できなさすぎ体力なさすぎだったので、これじゃあかんぞと思って出発する半年程前にサンティアゴ巡礼用の靴とザックを買い、トレーニングも兼ねて登山をはじめました。

出発までの何回かの登山で培われた、山道での身体や装備の使い方(足をどうやって使うと痛めにくいかとか、ザックの正しい疲れにくい背負い方なんかも)はカミーノの上でもすごく役立ってくれたなぁと思います。

また、不安であれば、サンジャンピエドポーから7kmほど歩いたオリソンというところに一軒だけアルベルゲがあるので、そこを利用されるのもいいかもしれませんね。

聞くところによると、どうやら予約でいっぱいになってしまい飛び込みでは泊まれないことも多いそうなので、もし利用をお考えの方はホームページから予約されていくことをおすすめします。

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Refuge Orisson | Sur le chemin de Saint Jacques de Compostelle

うーむ!こんなところでしょうか!

最後に、初日のサンジャンピエドポー〜ロンセスバジェスまでの「だいたいこんな感じだったよ〜」というのを写真でご紹介しておきますね。ご参考までに!

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朝のサンジャンピエドポーの街を出発。前の晩に、明日は道程が長いから遅くても朝7時には出なさいね!と巡礼事務所やアルベルゲの人に言われます。

矢印や看板に従ってしばらく石畳の道を歩き、サンジャピエドポーの街から出ると、道はアスファルトの舗装道に。

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ぽつぽつとある小さな可愛らしい集落と、たくさんの牛や羊を横目に見ながら、アスファルトの道を歩きます。

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しばらく行くとこんな分岐があり、ナポレオンルートを行く巡礼者は左の未舗装道へ。

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分岐にはこんな感じでちゃんと黄色い矢印と「ロンセスバジェスまで19.2km」という看板が立っています。

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こんな感じの、けっこう急な登りの砂利道をしばらく歩くと、巡礼道はまた車道に合流します。

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かなり標高が高くなってきました。とっても眺めがいい!

今まで越えてきた山々や集落を見下ろす景色に見とれつつ、たまに通る車に気をつけながら、しばらく舗装道を歩きます。

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牛とか馬とか羊とか、そのへんにめっちゃいっぱいいます(笑)

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だいぶ標高が上がり強風が身に染みるようになってきたところで、道は再び未舗装道へ。

映画「星の旅人たち」をご覧になった方は見覚えがあるかも。主人公の息子ダニエルが遭難してしまったのは、だいたいこの辺りかな?

風が強く、とても寒くて、風に煽られてふらついたら落ちてしまいそうな岩場の断崖の側を通ります。確かにこれは悪天候や霧、強風の日は危ないと思います。

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そこからしばらく歩くと、フランスとスペインの国境です。

写真の奥に見えている茶色い橋みたいなのが、それ。徒歩での国境越え、めちゃくちゃあっけない!笑

手前の赤い看板は、なんと緊急SOS用のフリーWi-Fiスポットです。

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そこからまたアップダウンを繰り返し、ようやくロンセスバジェスの街が見えました。やったー!!

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遠くに見える街を目指して、結構急な山道を急下降します。

最後のたたみかけ!って感じで、ここで膝を痛める人も多いみたいです。

そんな私も、すでに完全に大笑い状態の膝になんとか力を込め(笑)ジグザグとちょこっとずつ慎重に下りました。

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そして、無事夕方4時ごろロンセスバジェスのアルベルゲに到着〜!

休憩もふくめ、約9時間かけてゆっくりと歩きました。

ちなみにこのロンセスバジェスの公営アルベルゲは、めっちゃくちゃ大きくて、夜はまるで修学旅行か林間学校さながら!

にぎやかでとても楽しかったです。

ここにいるのはほとんどみんな、同じ日に出発して同じ道をひいひい言いながら歩いて越えてきた同士なので、自然と友達になれます。

だからここで一緒だった人とは、その後の巡礼道で会えると「同期の古い仲間」って感じがして、とてもうれしかったりします。

うん!だいたいこんな感じかなぁ〜〜!!

もしも、これからカミーノ・デ・サンティアゴ、巡礼道を歩こうとされている方のなにかの助けや、背中を押すきっかけになれば幸いです。

なんか、危ないとか遭難とか断崖とかいろいろ脅すみたいに(?)なっちゃってますが、私でも大丈夫だったんだからみなさんも大丈夫です。

ピレネー越え、って聞くだけですごくハードルが高くて、でもその分それを乗り越えた時の達成感や喜びはすごかった!

これからカミーノを歩こうとされている方の巡礼の旅が、そんな喜びに満ち溢れたものになることを祈っています。

もしもなにか他にも「これが詳しく聞きたい!」というご質問等がございましたら、私に答えられる範囲で、お役に立てる範囲で精一杯お答えしますので、メッセージフォームやメール、コメントなどからお気軽にどうぞ!

ピレネー越えの初日、リアルタイムでつけていた巡礼日記は、こちらから読めます。

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それでは、また!おやすみなさい♪

たまゆりでした〜〜!!

私が初めてのサンティアゴ巡礼道で撮影していた、カミーノを歩く映像を動画にまとめました。

巡礼道の雰囲気が伝わる映像になっていると思うので、よかったら見てみてくださいね。

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